歯周病は静かにやってくる!精密検査の勧め
- 5 日前
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先日、息子さんの留学に付き添ってロンドンに滞在されている、香港出身のAさんが来院してくださいました。
Aさんが当院を受診されたきっかけは、「歯が少しずつぐらついてきたこと」。
これまでもNHSの歯科医院には通っていて、定期的にクリーニングも受けていたそうです。しかも、直近のクリーニングはつい最近。
それなのに、実際に歯周病の検査をしてみて、少し驚きました。
かなり進行した歯周病がありましたが、これまで「歯周病です」というきちんとした説明を受けたことも、そのための本格的な治療を受けたこともなかったというのです。
歯周病は、ただ歯石を取ってクリーニングをすればよい、という病気ではありません。
特に進行してしまった場合には、「なぜ歯周病が進んでいるのか」「どこに汚れが残っているのか」「毎日の歯磨きをどう変えていけばいいのか」「歯周病に関係する要因(喫煙、糖尿病など)はないののか」を患者さんと一緒に確認し、まずお口の中の環境を整えていくことがとても大切です。
そのうえで、必要に応じてRSD治療(Root Surface Debridement:歯ぐきの中、歯の根の表面についた歯石や細菌を丁寧に取り除く治療)を行います。
これは歯周病治療の“基本”ともいえる、とても大切な初期治療です。
ところがAさんは、これまで一度もそのような治療を受けていませんでした。
さらにAさんは、極度の歯科恐怖症でした。
診療室に入るだけでも不安でいっぱい。
それでも、
「このまま歯が悪くなってしまうのは嫌。なんとかしたい」
という気持ちで、勇気を出して当院を訪ねてくださいました。
ですから初診の日は、いきなり何かをするのではなく、まず今のお口の状態を一緒に確認しながら、これからどんな治療が必要なのかを、できるだけゆっくりお話することにしました。

まずは、先述した初期治療から、始めていくこと。
最初のクリーニングを終えたら、RSD治療に移ります。予定回数は6回。一回につき数本ずつ、麻酔をしての治療です。その度に、ホームケアのブラッシング指導もしつこく行います。その予定を、なるべくわかりやすく、説明しました。
「歯がグラグラしてきた」と本人が気になるようになるまで、大きな症状がないのが歯周病の特徴です。
ご自分に歯周病があるのか。あるとしたら、どのあたりが、どの程度のものなのか。
歯周病がないのに、「私は歯周病で」と来院される方がいる一方、立派な歯周病なのに、自分には関係ないと思っている方もいます。むしろ、後者の方が多いのが実情です。
それが、当院では初診の方(成人)には、英国で一般的に行われている簡易検査ではなく、歯周病の精密検査を行っている理由です(検査は初診料に含まれています)。

前述の怖がりだった香港のAさん。診療後に、わざわざ日本語に直して、連絡をくださいました。
本日は本当にありがとうございました。歯医者に行くことがとても怖く、不安でいっぱいでしたが、Dr. Naomi とアシスタントの皆様がとても優しく、親切に接してくださったおかげで、その恐怖がずいぶん和らぎました。一つ一つ丁寧に説明してくださり、安心して治療を受けることができました。本当に感謝しています。こんなに温かく信頼できる歯科医院に出会えて、とても幸運だと思います。次回またお会いできることを楽しみにしています。心よりありがとうございました。
歯周病の治療は、残念ながら一度で終わるものでなく、重度の方ほど、治療後のメインテナンスも大切になります。
でも、「怖いから行けない」から、「怖いけれど、ここなら通ってみよう」と思っていただけたこと。私は、それだけでも最初の大きな一歩だったと思っています。
そして治療が始まった現在、Aさんのお口の状態には少しずつ、とても嬉しい変化が現れ始めています。
そのお話は、また次回に続きます。



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