海外で親知らずが痛くなったら
- 5月17日
- 読了時間: 3分
更新日:5月19日
英国ロンドンで、日本人の方を対象に歯科診療を始めて1ヶ月半。たったこれだけの間に、数人のかたが親知らずの不調で受診されました。そこで本日は、親知らずについて、少し書いてみようと思います。
海外に留学する、赴任する、などが決まったら、やはり心配なのが健康面。
特に歯に関しては、海外旅行保険などの適応にならないことも多く、ご心配な方も多いと思います。
渡航前に歯科医院でチェックアップを受けた方も多いと思いますが、虫歯はないはずなのに、突然やってくる歯科の症状。
そう、「親知らず」の痛み。
親知らずとは、正式な名前は第3大臼歯で、一番奥にある歯です。
ただ、必ずあるとは限らず、生まれつき親知らずがない方もいます。(私は1本もありません)
また、ないと思っていたのに、実は骨の中に埋まっていた、ということもあります。

まずは、ご自分の親知らずがあるのか、歯科医院で確認してもらいましょう。埋まっていたとしても、骨の中にしっかり埋まってしまっている場合は、囊胞などの病変がない限りそのまま埋めてしまっていても問題が起こる可能性は低いです。
ただ、少しだけ頭を出している、横向きに埋まっていて、半分歯茎が被さっている、などの状態の親知らずは、腫れる、痛むなどの症状が出やすいので、要注意です。何度かすでに腫れたことがある方は、渡航前に抜歯を検討されることをお勧めします。
親知らずは、顎の中を走る「下歯槽神経」という太い神経に近いことが多く、神経を傷つけてしまうこともあるため、CTなどでしっかりと状態を確認してから抜歯を検討することになります。
海外にいくとストレスや慣れない環境で、今までなんともなかった親知らずが腫れる、痛む、という可能性はあります。
症状がでてしまったら、痛み止めなどを飲んで様子をみますが、腫れや痛みが治らないときは歯科医院の受診が必要です。状況によっては、抗菌薬の投薬が必要になります。
その後、抜歯を検討することになりますが、日本の一時帰国に合わせて抜歯を計画するか、滞在先の海外で抜歯をするかの選択です。
ロンドンの当院では、原則として親知らずの抜歯は口腔外科専門医に紹介します。
プライベートでの親知らずの抜歯はすぐに対応してもらえますが、約£350~550ほどの費用がかかります。カウンセリングだけでさらに数百£を請求するところもあり、別途、パノラマレントゲン写真やCTの費用も加算。痛い出費になってしまいます。費用面だけでなく、英語での説明や、慣れないドクターなど、受診には勇気がいるかもしれません。
少しやっかいな親知らずの抜歯は、永住していて、円安の影響などがなく、普段からNHSの歯科医院を利用していて現地に信頼できる口腔外科の紹介先医院がある方は別として、やはり、日本にいるうちに、もしくは日本に帰った際に、信頼できる口腔外科医の元で抜歯を検討するのが一番なのかな、という結論に達しています。
そして、やはり海外にいても、できるだけ定期的にクリーニングを受け、口腔内の悪玉細菌(プラーク)を減らしておくことも、突然の親知らずの腫れの可能性を下げるためにも大切です。
ロンドンでの歯科クリーニングは、成人の場合はすべてプライベートになり、費用は£80前後から£180ほどと幅がありますが、数ヶ月に一度の健康投資と思って相性のよい歯科を見つけていただきたいと思います。
Bloom Dental Studio
歯科医師 松浦直美
7Adelaide Road, London NW3 3QE



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